ラジアル円筒ころ軸受は、ラジアル荷重に対して高い荷重容量を持つ軸受ですが、高いアキシアル荷重や内輪と外輪のミスアライメントには対応していません。
玉軸受で使用されるパラメータに加えて、ローラーの有効長さ Lwe が必要な入力パラメータとなります。ローラーの有効長さは、ローラーの端に半径があるため、ローラーの長さより少し小さくなります。円筒ころ軸受では、接触角は常にゼロです。
ローラーのプロファイルは、デフォルトとしてISO/TS 16281 で定義されているように考慮されます。圧力分布の拡張計算が選択されている場合、溝(レース)とローラーのプロファイルは、ローラーの有効長さの後ろにある-ボタンを使用して入力することができます。プロファイルをファイルから読むなど、いくつかのオプションが利用可能です。
アキシアル荷重は、(Harris, et al., 2007)に示されるように考慮されます。アキシアル荷重はローラーに傾きモーメントをもたらし、溝(レース)上の非対称な荷重分布が発生します。アキシアル荷重は肩高さの半分の高さで考慮されています。肩の高さに20%を入力すると、ころの直径の10%にアキシアル荷重が作用することになります。
円筒ころ軸受のタイプNU、NJ、NUP...は、軸受のオプションダイアログで選択することができます。
アキシアル荷重を受ける円筒ころ軸受の場合、ラジアルとアキシアルのすきまを指定することができます。傾きが発生する場合は、アキシアルすきまの値を入力することが重要です。NUPタイプの場合、アキシアルすきまは反力モーメントに影響します。ISO 281寿命計算のY係数は規格で指定されていないので、いくつかの軸受カタログのようにY=0.6、e=0.2という値が使われています。
NUPタイプの場合、アキシアルすきまは深溝玉軸受と同様にリングの左右の位置で測定します。NJのような方向性のある軸受では、アンギュラ玉軸受や円すいころ軸受のように、基準位置と片側との間のアキシアルすきまを測定します。
NUのようにアキシアル荷重をサポートしないタイプは、'Fx' の代わりにアキシアル変位 'ux' を入力のタイプとして選択する必要があります。
荷重分布の計算を行うセクションの数は、ベアリングオプションで変更することができます。最小値は31セクションです。この値を大きくすると、圧力分布の拡張法が有効でない場合、ISO/TS 16281 の近似関数によってエッジ応力が減少します。